世の中には
良い猿芝居と
良くない猿芝居の二種類が存在する
どちらも大嫌いという前提で話すと
先日のこと
雪が降り積もった翌日
歩道が除雪されていたのだが
人ひとり歩くのがやっとの道幅だった
それは良くあること
そんな道を歩いているときに
向かいからくる人がいたら
除雪のされていない部分に出て
来る人に道を譲るようにしている
相手が子供とかお年寄りなら
どうぞと声をかける事もある
その日は想定外のさるしばいを見た
向かいからくる30代くらいの女性
そろそろどっちかが譲る選択をしなきゃならない距離
僕は一旦立ち止まり道の外に出ようとした
すると
彼女の眉がピクッと動いた
こっちが道を譲ろうとしている意思を
感じ取ったのだろう
僕は除雪外の雪が積もるエリアに足を踏み入れた
すれ違いざま
彼女は左手に持っていたバッグに手を入れてごそごそした
ものの2秒くらいのことだ
はっきりと見えた
バッグの中なんか見てやしないことが
忘れ物を確認したとか
スマホでメールや現在時刻を確認する動線でもなかった
道を譲った僕とすれ違う瞬間に
目があってしまうことを誤魔化すための
苦肉の策といったところか
いったい何が気まずいというのだ
お礼を言って欲しいわけでもなく
常識を振りかざすつもりもない
こっちだって目を合わせないようにしているんだし
ガン無視で突き進めば良いじゃないの?
それが普通のことだと思ったけど
下を向いて「ああ、そっかそっかぁ」みたいな小芝居
演技の下手な人が大根役者のように見える原理って
思考と体の動きが連動していないのに
無理に何かやっている風を『やる』からなんだけど
彼女の右手と右足は同時に動いた
パントマイムかと思ったが
通り過ぎた瞬間
ごく普通の人間の動きに変わった
別にその人がおかしいとか
悪いって話では毛頭ない
まさか
日常のあんなところで
『さるしばい』に遭遇したことに驚いたというか
感心にも似たなにかを感じた
というお話
他に過去に見たことがあるのは
男2名女2名で利用した飲食店でお会計
今まさに「私いくら出せば良い?」って時
若い女性2名は意図的にレジ付近から離れて
出口付近にあるどうでもいい物に
「これ可愛くない!?」とかをはじめて
男性が会計を済ませた瞬間に
時間稼ぎする必要がなくなった女性陣は
静かに男性たちの輪へと戻る
その後、ハシゴした全ての店の会計時に
寸分狂わず全く同じさるしばいを演じた女たち
足を引っ掛けて
コンセントを抜いてしまったのかという
変わり身の速さ
すべてを見られていることに
全く気付けない愚かさ
図々しいとかそういう次元じゃない
「高級車にぶつけて300万円を今すぐ払わなきゃいけない」
と孫を演じる人間に
それは大変だね、すぐに払わなきゃ!
相手に怪我はないの?
と、すべてが嘘だとわかっていながらも
本気でやらされている感じ
もはや金額とかそういう問題ではない
なんかね
底はかとないバイタリティというか
奴らなりの乞食ライフハックに
一種のたくましさを感じたのだよ
でも
もうちょっと健康的な『さるしばい』しろよと
お金払う気は一切ないのはいいけど
財布だけは出す振りアクションとかさ
一番清々しいのは
面と向かって「ごちそうさまで〜す」とか
言っちゃった方が奢る人も気持ちが良いだろうに
そういうのだと微笑ましいと思えるのだが
まあ、世の中さるしばいだらけさ
市民を守る警察だってそうだ
ただただ見た目が怪しいからって理由で
警官は職務質問をするのに
「あちらの方からこういう通報が入りまして」
とか見え透いた嘘をついてくる
正直に、「大変失礼なことは承知ですが疑うのも仕事なんで」
と言えば、素直に応じる人間も増えると思うのだが
職務質問で逮捕者も出ている事実があるので
あなたにそんなことはないと信じたいけれど
これで少しでも犯罪の抑止につながってくれたら
と、誠意を持って想いを伝えればいいだけではないか
さるしばいってとどのつまり
見え透いた嘘をつくってことだから
だめだよ
今夜この店にコンサート終了後のパフィーが来る
とか吹聴して野次馬100人以上集客させたりするの
あ、実話だったね
!夢( ͡° ͜ʖ ͡°)で!
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