パレードにうつつを抜かして忘れていた
例の保険屋の彼から連絡があって
すぐに飛び起きた
狂った太陽
冷房の効いた地下鉄
グッピーみたいな人だかり
小型の扇風機を持つ若者たち
乗り換えると
彼はそこにいた
遅めの朝食
派手目の普段着
地味目のエリンギ
過去に温泉に行った時も
示し合わせたように
同じパンツだった
なんとその日も
打ち合わせしていたように
2人はピンク色の服だった
お笑いコンビさながらの2人
ローカル線にのり
のんびりと各駅停車
前の席の子供が
いちいち駅名を声に出して案内する
空の青さコカインの白さ
着いた
憧れた昼の海
夜は仕事だ
わずかばかりの運の悪さを恨んだ
スーパードライの辛さを噛み締め
2人はまた列車に飛び乗る
再会の約束をして別れた
すぐに夜は訪れる
夜の海は黒くて冷たくて
ひとりきりじゃ怖くて
片寄せ合える距離に誰か恋しくて
ルイスが精一杯書いた漢字
その後あらゆる人に巻き込まれ
帰宅したのは午前3時
今日も生きる
正装に着替えて
派手目のエリンギ
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