ん?
さっきから女性の声で
「すいません!すいません!」
って聞こえるな
また幻聴か?!
どうにかしてほしいよ...
ねぇ聞こえなかった?
と隣にいた女子に問うと
「聞こえた!あ、いや、違うって!
あそこのお客さんが
本当にすいませんって呼んでる!」
またこの男だったら...と
女子は僕の肩をぶっ叩き
呆れた面持ち
なんだ本当だったんだ...
良かった幻聴じゃなくて...
でもさ、それは良いとして
トイレがある2階に上がったとき
あれ?って視線を感じて空間の隅っこを見ると
僕の腰の高さくらいの身長の
女の子の姿が一瞬見えたんだよ
気のせいだったんだけどさ
合計3回見てるんだよね
3回とも同じ女の子で水色の服なんだよ
いやー!!!!
ちょっと!!!
もう行けないでしょ2階!
水木1人なんだから!
水色だから?
ムキッ
ちょっと!
なんだなんだ
どうしてお怒りなの?
さっきのが幻聴じゃなくてよかった!
この前のが幻覚だったからさぁ──
って、話の流れで言っただけだったのが
悪かったようだ...ジェダイ
しばらくして
同僚のインドの女の子が僕に声を掛けた
「チョト..トイレイッテキマス」
うん行っておいで
「オバケェ..コワイケドぉ」
え?なんだって!
噂は瞬く間に燃え広がったようだ
その後
あらゆる国籍の仲間たちが
もれなく怖がっていたことから
怪談というコンテンツは
これからワールドワイドに拡まると
強く確信した夜だった
そして
あんなに怖がっていたみんなは
アキラ特製カレーを食べて
恐怖なんか忘れてしまったようだ
食というコンテンツは
怪談をいとも簡単に凌駕するのだと
強く確信した夜だった
Tシャツ作ったら販売するよ
夢で
コノマエノニンギョウノハナシ
メッチャコワカッタヨ
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