どうもライチポケットレディオの
地獄のピーヒャラ
カニ将軍♋︎アキラDeath!!
過去放送で
赤の他人の車に
間違って乗り込んでしまった話を
させてもらったのだが
なんと
やり返されるという怪奇現象が起こる
どしゃ降りだった
コンビニの駐車場に車を入れると
隣に同じ色の同じ車種がとまっていた
めずらしいことじゃないので気に留めず
缶コーヒーを買ってほっこりしていると
店内から出てきた女性が僕の車へ向かってきた
なんの迷いもなく一直線にだ
ルーミーな香りがします
(過去放送参照)
表情を見てすぐにわかった
これ、来るやつだと...
女性は運転席に座る僕の存在をスルーして
なれなれしく後部のドアを開けてきた
はっと振り返ると目が合った
まるで僕が悪いとでも言いたげな
真っ赤なルージュが揺れる
プラスでもマイナスでもない
嘘みたいな本当の2秒感
サイドウインドウに映る
同じ色の同じ車種
なれっこだった
無感情だ、そこには驚きも苛立ちもない
こっちは何度目なのかわからない猛者だ
ベテランだ!むしろ
ヴェテランなのだ!
フロント荷重ぎみの僕の笑顔が
掛け違えたボタンを恥じらうように諭す
言葉なんかいらない
女性の目ん玉がクルッと一回転すると
loadingが完了したのか
「すいません」と閉ざされたドア
彼女の羞恥心が
顔から煙を噴き上げていたが
激しい雨がそれを掻き消した
そして
何もなかったかのように
隣の同じ色%同じ車種の
後部座席のドアが開かれた
──déjà vu[既視感]──
たったいま見た表の光景を
今度は裏側から覗いている
不思議な背徳感だ
主導権という名の
みえない手綱を握っている気がした
余程バツが悪かったのだろう
女性は荷物を積み
急ぎ足で運転席に飛び乗ると
そそくさといなくなった
僕の脳内では
隣で開かれたドアもまた他人の車で
次々と同じ色%同じ車種の
無限ループから抗うことができない
そんな真っ赤なルージュが
いまだ
降る雨の音に抱かれて揺れている
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