彼奴を埋めた!誰を?

東西を分断する地下道
その中央に位置する物置に
彼奴を遺棄したらしい

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しかし
それには問題があった
誰を遺棄しているのかが記憶にない

それでも不安要素は皆無だった
何故ならば
絶対に足がつかないよう
何重にも細工をしたつもりだった

自宅に
柄の悪い男からの襲撃

これが、どの時系列のものかがわからない

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その男を埋めたのか?
いいや、思い出せない...

そんな事を
ある女性Aとある女性Bと会っている時に
考えていた
所謂バッティングというやつだった
何故そうなったのかはわからない
睨み合う二人

兎に角

長くこの場に居てはいけないと
適当な理由をつけ
即座に解散に持っていって
二人に別れを告げた

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片方は車をくれてやった女だ

くれてやったというのも
車はそもそも僕のものでは無かったし
僕が直接手を下すことも無かった

立場上、都合悪くなった車を
たまたま要らない車があるから
タダで良いと引き取ってもらうカタチで
第三者を介して押し付けたものだった

結果

それによって捜査線から
僕は遠く離れる事に成功したようだ

死体が見つからないという事は
事実上は行方不明
事件になる事は無いから

あの土を掘ってから
初めて安心して眠った

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翌日

車をくれてやった女の家に
警察の手入れが入ったようだった

僕に繋がるルートは皆無だろう
容疑者にでも勝手になってくれ
二度と会うことはない

しかし安心できることはなかった

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不安という感情は恐ろしいもので
僕を幾度となく現場へと呼び戻す

用もなく地下道を往復しては
騒ぎが起こっていないかを確認した

階段を登り切ったとき
その場にいたすべての通行人が
警官隊に止められ
一人ずつ
身元の確認を余儀なくされた

僕は涼しい顔でIDを見せ
即座にその場を離れようとすると
更に足止めを食らった

捜査員は各自デヴァイスを出して
すべての人間に質問を始めた

赤と青はどっちが好き?
東と西ならどっちを選ぶ?
ショートヘアとロングヘアはどっちが好き?
地上と地下ではどっちが嫌い?
夜と朝はどっちが不安になる?

この流れのまま
五千の質問に答えるのだ

その答えをコンピュータが
プロファイリングし
捜査線の核心に迫るという
最新の捜査技術だと後に聞かされた

表向きはヘラヘラ
内心はヒヤヒヤで

どうにか持ち堪えるも
全てを見透かしているような
捜査員の目の奥に
真底震えた

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解放された僕は
車をくれてやった女の家に向かった

あんな捜査をされては見つかるのも
時間の問題だと危惧したからだ

遠目から女の家を見ると
女と口論する家族が見えた
予想通り
外に停めてある車が発端のようだ

僕の名前が浮上しないことを祈った

と、同時に
自宅を襲撃した男が誰だったのかを
思い出そうとした
まったく思い出せなかった

そこが発端であったとしか思えなかったが
まったく記憶にはなかった

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その夜

ある決定的な証拠を
置き忘れて来たことを思い出し
死にたくなった

近所の噂では
行方不明になった人間が
事件に巻き込まれて
今すでに仏になっている事が
捜査員は確信しているとの話

決定的な証拠というものも
脳内では自覚していない

ただただ僕に結びつく
決定事項だという事だけが
居ても立っても居られない
悍ましい心拍数にさせた

僕はその世界では有識者として
確固たる地位にいたようで
人々の信頼を持ってして
明日の東西を担う人材だったようだ

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地下道に捜査員がごった返して
殺気立っているという話を
騒ぎに興奮した家族がしていた

僕は誰を埋めたのか...

あの車はなんだったのか

わからない
思い出そうにも
まったくわからない

明日の朝には
全てが
明るみになってしまうだろう

僕は
自分の死体が見つからない
自殺方法を探し始めた

明朝には僕という存在が
綺麗にこの世界から
消えてなくならなくてはいけない

どんなに苦しくもいい
ただ消えて無になろう

第二の行方不明者となろう

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いつものベッドの中で
スマホを出し
どう逃げられるかを検索しようとした






夢だった



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あまりに恐ろしく
リアルな夢

目が醒めるまでの実体験

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この話は次回の収録で話そう


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