突き抜ける九十九階

どうもライチポケットレディオの
毎日悪夢地獄
カニ将軍♋︎アキラDeath!!

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本放送でも話をしましたが
僕は連日連夜
夢の中で『あの街』を彷徨い
あらゆる危険に遭遇しております

今朝方にみた夢は
エレベーターでの恐怖体験でした

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或る日のこと

僕の隣に居る二人が
五階に戻って証拠を持ち去らないと
大変なことになると騒いだ

僕はその二人の頼みを受けて
言われた高層ビルへと向かった

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高層ビルと聞いて一般的にイメージする
鉄筋コンクリート造りのものでは無かった

そこにあるのは
はるか昔の
スチームパンクと
サイバーパンクとを
ごちゃ混ぜにした建造物で

金属はすべて真鍮
壁は歯車と空調パイプみたいなのものが
剥き出しになっていた

建物に入ると

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ロビーの大きな柱の奥に
アナログ時計みたいな文字盤があって
その指針が一階を指すと
チーンという音と共に
ガッチャーンとエレベーターの扉が開いた

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中へ入ろうと一歩踏み込むと
どこから湧いて出てきたのか
ヨーロッパ貴婦人みたいな
紳士淑女たちが僕を押しのけて
中へと入ってきた

次々と各階のボタンが押されると
ドンという衝撃と共に空間が揺れた
ちょっとの間があって
次には爆発的な急上昇を始めたのだ

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慌てて五階のボタンに飛びつくも

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その時すでに十階を通過し
二十階に手が届こうというところだった

電撃的な加速から生み出されたGは
直立する僕らを地面へとねじ伏せた

バランスを崩した数人が
壁に叩きつけられると
その衝撃でゴンドラは大きく傾き
外壁へと接触した

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耳をつんざく轟音
弾ける火花

ゴンドラは上下左右に激しく傾げて
高齢者達はピンボールみたいに
床と天井を跳ね回った

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壁・床・天井が網目模様になっており
上も下も丸見えなのだが
『その恐怖』は『別の恐怖』が
感じさせてはくれなかった

恐怖を独り占めた加速度は
昇れば昇るほどに拍車を掛けてくる
立ち上がろうとすればするほど
全身は床に押し付けられる
いよいよ耳がぶっ壊れそうだ
天井を仰ぎながらGに耐えるしかない

ゴンドラは上下左右に小刻みに震え
貴婦人達はフィルターに吸われた虫のようだ

八十階を過ぎた頃
視界は急に明るくなり
凍てつくような風に変わった
己の限界が見えた
何秒間くらい耐えたのか

九十九階を過ぎた時
視界が真っ暗になった

バンと機械音が止まり
押し付けられていたGがふっと消えた
と、同時に今度は無重力状態になり
ゴンドラは急降下をはじめた
瞬く間に今度は天井へと張り付いた

明かりがチカチカと点滅している
いや、そう見えるだけだろう

世界が終わる
そんな轟音とともに
エレベーターが急停止した

ゴンドラが二度、三度と跳ねた
僕らは四度、五度と床を跳ねた

頭部と内臓に鈍い痛みを感じ
いよいよかと諦めた時
エレベーターが五階を示し
チーンという音と共に
ガッチャーンと扉が開いた

扉の向こうに

背中に大きなバッグを背負い
逃げるように走り去る僕を見た

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目が醒めた

二人の名前と特徴を
スマホに記録しようとするも
第二の睡魔に襲われ二度寝をしてしまった

その後
アラームで目を覚ますと

もう、二人の事と
何を隠滅するのに
五階へ向かったのかが
わからなくなっていた

ひとつだけ確かな事は
落ちる恐怖より急上昇の方が
恐ろしいということだ

今夜も、そこに行くことになるかも知れない
もし戻ってこれなかったら
『あの街』へと僕を探しに来て欲しい

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