どうもライチポケットレディオの
反逆童子アキラです。
僕は1978年8月に産声shout一発でこの世に産まれました。
時を同じく1978年2月、隣の国「韓国」ではこんなことがありました。
60年代の韓国映画を代表する国民的女優、雀銀姫(チェ・ウニ)が香港に滞在中、行方不明に。
「誘拐」・「殺人」、様々な噂が飛び交う中、彼女と離婚した元夫の、申相玉(シン・サンオク)は彼女を探すために香港に旅立ちます。
シン・サンオクは韓国を代表する映画監督で、チェ・ウニは彼のヒット作品に多数出演したことで国民的大女優になったという経緯がありました。
『元夫』は香港で『元妻』を探し出そうとしますが
程なくして彼も消息不明に...
2人に何が起こったのか!
チェ・ウニは運営していた芸術学校の投資の話で香港に来ていたようで
彼女には『ショッピングガイド』という女性がつきました。
さすがはスーパースターですね。
目的の人に会うために、そのガイドの案内で2人はボートに乗り込み、
気さくな若者四人の操縦で進んでいくと、大きな船が見えてきたそうです。
「この大きな船に乗り換えますよ」
そうして大きな船に乗り換え、航海すること数日後、ある港に到着すると
見たことのある男が待っていました。
そこには
金正日(キム・ジョンイル)が立っていて...
一方、チェ・ウニを探しに向かったシン・サンオクは香港の映画会社の支社長になっていた友人を頼り
搜索に出ようとするが...
この友人はすでに北朝鮮の指示を受けていて、
彼は自身の旧友によって拉致されたようです。
2人は何故...
金正日は『絶対権力と資本を持った独裁者』
であると同時に
『熱狂的な映画マニア』だったのです!
北朝鮮に拉致した2人に求めたもの
俺のために映画を撮れ!!
北朝鮮では、映画とは金日成と金正日の偶像化教育に用いる教育材料。
すなわちプロパガンダのための映画。
しかし当の金正日は熱狂的映画マニアの『歪んだオタク』
『宣伝道具』云々よりも、より良い理想の映画製作のために2人を拉致したようです。
彼の映画コレクション倉庫には、1万5000本ほどの世界各国の映画フィルムが保管さていたようで、
そのうち半分ほどが吹き替えられていた。
どういうことかと言うと、吹き替えられていたものは彼が鑑賞済みの作品ということ。
ここからは僕の憶測ですが、きっとアメリカ映画とかのセリフで
「この世で最も偉大なものは神だ」
というセリフがあったとしたら
北朝鮮の絶対権力に媚びた「吹き替え製作サイド」はきっと
「この世で最も偉大なものは将軍様だ」
とかに変えていたんじゃないかと思うんですよ。
金正日はこう言っていたようです。
「なぜか我々(北朝鮮)の映画は、いつも焼き直しで新しいストーリーを作ろうとしない。葬式を出す家のように泣く場面ばかり。我々の映画では泣かなければいけないのか?なぜこんな作り方をするのかと。」
映画マニア故に自国の映画に対しての求め方にもこだわりがあったんだと推測されますね。
出来るのなら別に俺が脚本書いてカメラ回して主演してもいいのだ!くらいの。
金正日は2人に
「どんなイデオロギーも強要しないから、作りたい映画を思いっきり作れ」
と言い、それに対し2人は『北朝鮮のタブー』を冒して映画を撮ったようです。
金日成の教示でロマンスが禁止されていた北朝鮮で
『愛よ、愛、私の愛』
という恋愛映画を。
非常に興味深いのが
常に命を脅かされた状態の中
国に帰れるのかどうかっていう
氣が氣じゃない精神状態だと思うんですよ。
まともな神経なら。
それなのに
それなのに
「ねえ、なんかワクワクしてないあなたたち??」
っていうところ。
拉致された!殺される!って言ったって
2人は芸術家
『従順な人形』を演じなければいけないハズの2人。
しかし内に秘めた『芸術家魂』という本能が「そこ」を突き破って出て行こうとする。
その葛藤が僕の胸を熱く焦がします。
自国である韓国も韓国で、軍事政権による検閲制度と映画政策は、芸術振興ではなく社会統制のための映画。
シン・サンオク本人も、未検閲のシーンがたった3秒間あったっていうだけで映画会社の許可を取り消されることもあった。
表現に対しての苦悩や、資金集めの苦労を痛いほど知っている彼に与えられたもの
『無尽蔵に出される製作費と何を作ったって良いという表現の自由』
彼は芸術家として、初めて思いっきり羽ばたくことができた瞬間だったのかもしれませんね。
製作費は1年におおよそ300万ドルが使うことができて
希望なら東ヨーロッパ国家との合作も可能という恵まれた環境の中で
映画オタクはさらに彼らのために、2万坪を上回る東洋最大規模のスタジオを作る。
しかし、2人は...
このスタジオを使うことなく北朝鮮を脱出...
2人がどういう経緯でそうなり
その後どうなったのか...知りたいですよね?
今日、僕がこの話を
このタイミングでしたのは
なんと、この事件のドキュメンタリー映画が公開されるんですよ!
もちろん僕はまだこの映画は未見で
事件のことはネット情報でしか知らないので
今日ここで書かせてもらった意見・感想が
鑑賞後では変わってくると思います。
鑑賞後にまたこの事件について触れたいと思います。
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