玉城商店街の輝石 第5話

第5話  エリーゼのために 居間のテーブルで携帯電話がブルブルと震え、「エリーゼのために」の電子音が鳴り響いた。台所で料理をしていた美穂は、両手の水滴を払いながら、小走りに携帯電話に駆け寄った。 ディスプレイに表示された発信者を見ると誰もいないか周囲を確認してから通話ボタンを押した。 「もしもし、吉澤さん?どうも..あ、今、大丈夫ですよ揚げ物をしていただけで...」 (****…

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